出雲のものづくり【4】

第4回は、テキスタイルと布雑貨「ミツトリヒトギ」田部井 眞子さんを紹介します。

―出雲でお店をはじめたきっかけ

もともと家に住みつつ制作をする住居兼工房というスタイルを想定していまして、東京から島根に拠点を移して空き家を探している中で、現在の家を見つけたんですよ。この家を見た瞬間に「ここだ!」と思いました。直感ってやつですね。

そんななか、知り合いが、大阪から島根に移住してきて古民家で雑貨屋をはじめたのを見て、私もお店を作りたいと強く思うようになりました。それまでは店舗運営って大変そうなイメージがあったのですが...知り合いのお店を見ていて「お店やってます」と言ってしまえばいいんだなと。少し敷居が低くなった感覚になりました。自分の作品を自分のお店で発表するということが、不可能じゃないんだなと。じゃあ、やってみようという感じで。勢いではじめましたね(笑)。

―テキスタイルデザインについて

大学に入るまでは、なんとなくデザインを学びたいなと漠然と考えていたんですが、入学先の大学にテキスタイルを学べる学科があって。元々は金属やガラスに興味があったのですけど、テキスタイルをやってみたらハマっちゃって...。「あっ、これだ!!」と。仕上がりのパキっとした感じが自分の感覚に合っていて、描きたいもの、出したい色ともマッチしたんです。それから現在までテキスタイルデザインを表現の軸として取り組んでいます。

―ものづくりへのこだわり

基本的に「生きもの」や「植物」をモチーフにしています。生きものの伸びていったり増えていったりする力に惹かれるんですよ。あとは、生きものや植物の「よく見ると、こんな面白いところがある」というところを拾い上げることも好きですね。生きもののちょっとしたことを発見したり、それらを伝えることが好きなんです。

生き物のエネルギーを全身に受け取って作品に落とし込んでいるので、お客様にも「元気がでる」とか「明るくなれる」とか言ってもらえることもあります。そこで気づかされることも多いですね。「あっ、そうなんだ」という感じで。私の作品は、生き物のエネルギーが表現として出せているんだなと再認識したり...そのあたりのポイントを逃さないように作品作りができればと思っています。

お店の名前でもある「ミツトリヒトギ」は、デザイナーの私とアートディレクター柳本真穂とのユニット名でもあります。中学・高校時代を共に過ごした友人でもあり、頼れるパートナーです。彼女は東京に住んでいますが、デザインのコンセプトや全体的なバランス・色決めなどはもちろん、イベント企画やSNSの写真・文章まで、すべてを二人で作り上げているんですよ。

―出雲について

出雲に住んでみて感じたことは、子育てがしやすいということです。あまり周りに気を使わずに子育てができるのは有難いことです。都会とは違ってパーソナルスペースが守れる距離感が出雲にはありますね。いい距離感で暮らせる場所です。観光地として見た出雲は、出雲大社の遷宮あたりから変わってきましたよね。私は遷宮の前あたりからこちらに住んでいるので、変わっていく様を直に見てきたのでよくわかります。島根に来た当初は、主人の実家がある松江にいたのですが、実家の窓から国宝の松江城が見えたときは、観光名所の近くに居る不思議な感覚のカルチャーショックを受けました。県外の友人からも、出雲大社の近くに住んでいることを羨ましがられたりもします。案外地元の人は、近すぎてそれらの魅力に気付いていないのかもしれないですね。

―これからについて

お店を盛り上げていきたいです。人が集うような場所にしたいですね。物販だけではなく、イベントやワークショップも開催して、いつも何かをやっているという感じにしたい。お店の庭も使って、屋外に作品も展示してみたいですね。今使い切れていないものを色々と活用していきたいです。それとミツトリヒトギの新しい作品づくりにも取り組みたい。じつは昨年から地域のデザイン業務も受けさせていただいてまして、そういう地域密着な仕事も積極的にやっていきたいです。デザインを通して少しでも地域貢献ができればと思っています。

テキスタイルと布雑貨「ミツトリヒトギ」

田部井 眞子

島根県出雲市多久谷町61

営業日 金曜日・土曜日

※不定休のため、事前にFacebook・お電話等でご確認ください。

※他の曜日・時間帯にご来店ご希望の場合は事前にご連絡ください。

営業時間 10:00~16:00

電 話 090-7802-4437

ホームページ

フェイスブック

インスタグラム

mail : mail@hitogi.com

東京都出身。武蔵野美術大学 工芸工業デザイン学科 テキスタイル専攻卒業。夫の実家がある島根県にIターンし、店舗を開業。あらゆる生きものからインスピレーションを受け、生命力を持ったテキスタイルデザインを自由で独創的な視点で表現している。


「ミツトリヒトギ」

デザイナー 田部井眞子とコーディネーター アートディレクター柳本真穂によるユニット。中学・高校時代を共に過ごし、全身を使って作品を作り上げる田部井と、その指先から生まれる作品をもっと世の中に広めていきたいという柳本の思いから2004年に「ミツトリヒトギ」として活動開始 。2007年に解散、2010年田部井単独での復活を経て、2015年から2人で活動を再開。

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