出雲のものづくり【8】

「出雲」を「ものづくり」フィルターで眺めてみようとの想いからの企画です。第8回は、「杉谷工房」杉谷 勇樹さんを紹介します。

―はじめたきっかけ

祖父が神楽面を作っていましたので、生まれた時から身の回りにあり、自然と興味をもったことがきっかけですね。保育園に通っている頃から遊び感覚で祖父の隣に座って何やらゴソゴソやっていたそうです(笑)。中学生の頃にはそれなりの神楽面が作れるようにはなりましたが、しばらくブランクがありまして…(笑)。と言うのも、その頃から神楽団にも入りまして、そっちが楽しくなっちゃって…今は神楽面の制作はお休みしています。僕が入っている「大土地神楽」という神楽団は、300年以上の歴史がありまして、国の「重要無形民俗文化財」にも指定されています。祖父も元団員で、僕が小さい頃によく連れて行ってもらったので、色々と影響を受けているとは思いますね。ちなみに現在、大土地神楽で使用している神楽面は、祖父が作ったものを使用しているんですよ。

ー神楽や神楽面の魅力

その土地に根付いて、長く続いている神事でありお祭りでもある神楽は、大人から子どもまで楽しめるというところが魅力の一つだと思います。僕はその神楽団で活動もさせていただいているので、とても嬉しく思っています。神楽面の魅力は…なんと言っていいか、言葉にするのが難しいですね。吸い込まれるような不思議な魅力がありますね。これだけ面だらけの家なので、余計にそう思うのかもしれませんが(笑)。その神楽面ですが、祖父が作っているのを見て育ちましたから、自然と作ってみようと思うわけです。ですが、これがとても難しくて(笑)。作りたいイメージはあるんですが、そのイメージに技術が追いつかないんですよ。試行錯誤しながら木と格闘し、なんとか形にしての繰り返しで今に至ります。少しは技術的にも向上したとは思いますが、祖父と比べるのがおこがましいほどで…(笑)。でも、いつかじっくりと神楽面と向き合って面作りに取り組みたいとは思っています。ここ出雲でも神楽面の作り手がほぼいない状態になっています。なので、祖父の技術や想いは引き継ぎたい気持ちはありますね。最終的には、自分で作った納得のいく神楽面で、神楽を舞ってみたいと思っています。

ー出雲について

昔は静かな感じでしたが、遷宮をきっかけに観光地として活性化しましたよね。僕としては、いいなと思うことと、どうかなと思うことの半々くらいの気持ちがあります。出雲や出雲の伝統文化をより多くの人に知ってもらうことはとてもいいことですが、反面観光に寄りすぎて、パフォーマンスのような伝統文化や伝統工芸の見せ方には少し受け入れ難い気持ちもありますね。

ーこれからについて

祖父からは仕事の合間の趣味として、楽しんで神楽面作りをしてもらえれば嬉しいという旨の言葉はもらっています。先程も言いましたが、そんな祖父の技術と想いを、出来る限り継承していきたいと思っています。

杉谷工房

島根県出雲市平野町

杉谷勇樹

杉谷 茂(代表)

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