出雲のことづくり【9】

「出雲」を「ものづくり・ことづくり」フィルターで眺めてみようとの想いからの企画です。第9回は、「自然光ダンサー」髙須賀 千江子さんを紹介します。

―はじめたきっかけ

10歳の頃に演劇をはじめまして、小・中学生の頃は演劇が大好きで没頭していました。ですが、進学した高校では演劇部がなくて…どうしようかな、と思っていた高校1年の夏休みに、イギリスにホームステイに行ったんです。シェイクスピアの生まれ育った場所でもありますし、本場の演劇を観てみたいという想いからの行動です。で、実際に現地の演劇に触れてみて思いました…演劇は素晴らしいけど英語がわからない(笑)。言葉の壁にぶち当たって落ち込みましたね。そんなこともあって少し悩んでいた時に、ホストファミリーからパーティーの誘いをいただいて参加することにしたんです。食事の後にダンスミュージックが流れて、参加していた人達がそれぞれ自由に踊りだして、日本にはない雰囲気に戸惑っていると、「一緒に踊ろうよ」と誘われたので踊ってみたんです。それがもう楽しくて!(笑)私の大好きな演劇は言葉の壁がある。ダンスは色々な壁が全てなくて自由で楽しいものだと。「ダンスって凄い!!」と感じました。ものすごいショックを受けましたね。それがきっかけで、帰国してから市民ミュージカルサークルに入りまして、ダンス・お芝居・歌など、様々な表現に取り組みました。大学には演劇専攻で入学したのですが、同級生に天才的な振付をする人がいまして…その人と一緒に作品を作りたいって想って活動していたら、自然とダンスの舞台にでることになったんです。演劇ではなく、ダンス・パフォーマンスの繰り返しになりました。その頃には、髙須賀さんはダンスをする人なんだ、との認識になってきて(笑)。演劇の舞台に出ることも少なくなり大学4年間はずっとダンスをやっていました。大学卒業後に色々な転機もあり、24歳の頃に「私、ダンスがやりたいんだ」って改めて想いました。その時ですね、初めてダンサーという職業を意識したのは。

ー自然光ダンスへの想い

自分自身が幸せで、見ている人達も幸せになれる踊りって、どういう状況での踊りなんだろうと考えまして…私の出した答えは、自然の中で、それこそ太陽の下で自由に踊っている状態がその答えでした。その答えは、今までの経験の中から導き出したものですね。横浜や東京にいた時は、自己否定感が強くて、自分のことをダメだな…とネガティブに考えていたんです。それが出雲に来て、自然の中で暮らし踊ることで、少しづつ心が整ってきて嫌な感情が溶けていきました。窮屈で息苦しかった日常から解放された感覚でした。そんなこともあり、改めて自然の素晴らしさを体感したので、それをダンスに取り入れて表現しています。人間は自然と一体化していると言いますか…自然からたくさんの影響を受けながら生かされています。その深い部分の感謝、命に対しての感謝の気持ちを込めて踊っていますので、見てくださる方々に伝わるといいなと思っています。

ー出雲について

出雲が本当に大好きです。人も、空も、海も、山も、すべて好き。実家の横浜に帰っても、海外に仕事に出ても、心の中でいつも出雲を求めています(笑)。毎日車を運転していて美しい山や空や海を見ると「ああ〜出雲大好き〜!島根大好き〜!」と思わず口から出ちゃいます。本当に、ここに暮らすことができて幸せだと思い、受け入れてくださっている地元の方に感謝でいっぱいです。

出雲は商業施設が増えて便利にはなったんですが、以前あった穏やかさが少なくなったなぁ...と感じています。経済の豊かさだけではなく、自然や心の豊かさを大切にすることがこれからの世界のあり方だと思っています。自然が残る素朴な景色にこそ、都会や海外には無い価値あるものだと思いますし、人はそれを求めて出雲にやってきます。特に観光スポットは無理に近代化する必要はないのではないかと思います。出雲らしい魅力が無くなってしまったら、どこの観光地とも変わらない場所になってしまう。古き良き個性を活かしてほしいですし、それを継続させてもらいたいですね。

ダンスカンパニー スカーチエ『コネクト コネクト』舞台写真 (C)高嶋敏展


―これからについて

個人的には、踊りをもっと多くに人に見てもらいたいし、幸せな気持ちになってもらいたいです。そのために、メディアへの露出を増やしてきます。それと、映画に出演したい(笑)。作品を作ることが好きなので、色んなジャンルのクリエイターと関わっていきたいです。冒頭でもお話ししましたが、ダンスは国境や国籍を超えられます。その場にいる人達とダンスを通じて気持ちをシェアできます。ですので、将来的には世界中で踊りたいと思っています。出雲での活動としては、「稲佐の浜ヨガ」を復活開催したいと思っています。また、ダンスのワークショップも開催予定です。自然と触れ合うことや、自分の体を感じることは心身にとてもよい効果をもたらします。一人一人が自然体になり、生命に感謝することが大切だと思います。個人・友人・親子など、色んな形で参加してほしいです。そして、その関わりから感謝の気持ちが共有され、広がっていけば嬉しいですね。

ダンスカンパニー スカーチエ『自然ワークショップ』

 

髙須賀 千江子(自然光ダンサー・ヨガインストラクター)

出雲市在住、横浜生まれ。

10歳より演劇をはじめる。

16歳の時にイギリスにて、ダンスは「年齢・性別・国境を越えて一体になれること」を体験し感動する。帰国後ミュージカル出演などを経て、

18歳でコンテンポラリーダンスに出逢い、数々の舞台に出演。

2011年より“自然光ダンサー”として活動をはじめる。その場の空気やエネルギーを感じてその時にだけ生まれる舞を紡ぎだし、妖精のような軽やかさで見る人の心をほぐしていく。

イベント、コンサート、保育園や福祉施設でパフォーマンスを行い、現代美術作家や音楽家とのコラボレーションも多数。出雲大社をはじめ全国の寺社で舞奉納も行う。

2016年には島根県で古事記を題材としたミュージカル「いなたひめ〜おろちの森〜」を創作し、脚本と主演のいなたひめを演じ好評を博す。

2018年 加茂岩倉遺跡にて、加茂小学校生徒とダンスパフォーマンスを創作発表する

2019年 ダンスカンパニー スカーチエを旗揚げ「コネクト コネクト」上演

2019年 キッズダンススクールを開講する

その他、FM局でラジオパーソナリティとしても活動中。

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